THE STOOL & THE BENCH 開発者インタビュー

THE シリーズ開発者インタビュー vol.4 では、前回に引き続きデザインチームのマネージャー・氷室さんにお話をうかがっています。

組み合わせに例外を生まない THE STOOL。開発当時、初の自社製シーティングアイテムだったというTHE BENCH。今回はこの2つにスポットを当て、デザイン面だけでなく構造や技術など、開発の裏側にある工夫と想いを紐解きます。

THE STOOL

これまでにない自由度の高い豊富なバリエーションで、高さから座面と脚のカラーや形まで、それぞれチョイスが可能な THE STOOL。

THE STOOL シリーズを見る


ゼロベースで考える 組み合わせに例外を生まない網羅性



─── THE STOOL シリーズは、サイトの UIUX 上の仕組みを踏まえ、他のプロダクトとは異なる課題を経て製作されたと伺いました。具体的にはどういったことですか?

氷室さん(以下敬称略):ゼロベースで考えられる新シリーズであったため、プロダクト本体の完成度だけでなく、サイト裏の負荷、組み合わせに例外を生まない網羅性なども考慮しつつ豊富なカスタマイズ性と機能性を実現させにいきました。


実はこういった商品ページの構造的なことは、地味に見えて、ECサイトで販売するためには結構必要な検討事項だったりします。制約があるからこそできた設計は、KANADEMONO ならではですね。


─── こちらも脚はカラー展開だけでなく、2種類のデザイン・2種類の高さをラインナップしていますね。それぞれどのような違いがありますか?


氷室:細身の4本脚のスラントタイプに加え、少しキャラクター性を出したクロスプレートタイプを展開しています。 それぞれカラーは3色、高さは High タイプと Standard タイプをご用意。

クロスプレート脚は重く見えがちなプレート脚を、Rを大きく持たせることで柔らかい印象にし、座面の縁とRの位置に注意を払いながら全体のシルエットを調整しました。

また同じ印象で高さ違いの脚をつくり、ファミリー性を持たせています。スタンディングでも使用できる High タイプの方が強度やバランスの調整などに手こずった印象です。

【 User's Photo 】
使い勝手のいいスツールは、移動も楽々。お気に入りの植物を飾るディスプレイとしてやサイドテーブル使いにもいいですね。

fuyu_no_home様

mi.na_0901様



丸でも四角でもない座面の形 スクワークル

Round and Squircle

左:Round(ラウンド)/ 右:Squircle(スクワークル)

─── スツールというと丸い座面を思い起こしますが、ラウンドの他に、四角のような楕円のような…変わった形がありますね。

氷室:長方形のテーブルに合わせる際に、単純な幾何形態のスツールを合わせるときつい印象になることがあるので、丸とも四角とも言えない、空間のバランスを整える間を取り持ってくれるような座面を考えました。

直線がなく、8個の円を隣接円としてシームレスに繋ぎ合わせることで、正円とも異なる柔らかい印象の座面を実現しています。この寸法を決めた時の図面はかなり複雑で、もう一度同じものが描けるかというとだいぶ手こずりそうです。

Round and Squircle

左:8個の円を隣接円としてシームレスに繋ぎ合わせたスクワークル
右:ラウンド、スクワークルどちらにも取り付け可能な脚位置


この正円と隣接円を用いた座面は外形寸法が微妙に異なりますが、すべての脚がそれぞれの座面に付けられるようにするため、THE STOOL はどの組み合わせを選んでも座面と脚の固定位置は同じになります。

この固定位置の統一と、どの組み合わせでもバランスが整った状態にするため、細部の寸法調整に苦労しました。

座面裏側

座面を裏返すと、脚の固定位置が同じであること、脚から脚へ木目が繋がる向きになることがわかる

また、座面の木目は脚から脚に繋がる向きにすることで一体感を持たせています。

スツールをさっと置いた時に脚の向きを合わせれば、自然と木目も揃う。そんなさりげない、だけどノイズをできるだけ減らすようなこだわりも、THE STOOL ならではの魅力だと思います。

THE STOOLを見る

THE BENCH

ダイニングテーブルと合わせて使用するのはもちろん、壁置きにしたり玄関で使ったりと、アイデア次第でさまざまなシーンに活用できる便利な THE BENCH シリーズ。

THE BENCH シリーズを見る


ブランド初のシーティング系シリーズ


─── KANADEMONO 初のシーティング系 THE シリーズとして、発売するために考えなくてはならなかったポイントを教えてください。

氷室:ベンチは座るアイテムということで、荷重のかかり方がこれまでのテーブルとは異なりました。強度を上げるため、座面と脚を組み合わせるだけではなく、裏面に桟(さん:強度や安定性を保つ横木)を入れています。

サイズオーダーの受注、各樹種を展開するにあたり、この桟の扱いは1つの課題でしたが、協力会社の方々のご尽力のもと実現しました。

無垢ウォルナット座面の桟も、無垢ウォルナットを採用した贅沢仕様です。この桟のおかげで強度試験でもびくともしないような強度になりました。



─── 強度試験の話が出ましたが、ベンチの強度は、テーブルやシェルフなどと比べるとどのような違いがありますか?

氷室:テーブルと、ベンチやスツールなどのアイテムでは、試験内容が異なります。

シーティング商品では座る際に都度衝撃が加わるため、何万回も上からの荷重をかける試験を行います。THE BENCH では成人3人が横並びで5万回座っても影響がない結果となっています。
※ 試験は一定の条件のもと実施されますので、ご利用方法によってはその限りではありません。



幅広く合わせやすい、2種類の脚のデザイン

左:Line 脚 / 右:Slash 脚

─── ベンチというと、一般的に脚がまっすぐな Line タイプをイメージしてしまいますが、なぜ2種類のデザインを用意したのでしょうか?

氷室:脚のデザインは、並べておいてもノイズや無駄な隙間が少ない Line タイプ、シャープで1台でも映える Slash 脚の2種類をご用意しました。

2種類のデザインにしたのは、ベンチというアイテムに対して、登場する場面は思いのほか多様だったからです。

ダイニングテーブルに合わせた使用、玄関でのちょっとした腰かけ、お店や施設で複数台並べたシーンなど、幅広い目的を想定しています。

【 User's Photo 】
ダイニングテーブルに合わせるのはもちろん、エントランスでちょっと一息の腰掛けとして、アートやお気に入りのものを飾るディスプレイ台としても◎。

coffee_stand_dia様

higashi.222様

Slash タイプは幅広い方が伸びやかで映えますし、Line タイプは収まりよく、下に物を収納するのにも便利です。

他のTHE シリーズと同様に、1cm 単位で幅のサイズオーダーが可能なことや座面の種類を選べるのも、THE BENCH の特徴ですし、座面の素材も、木材からリノリウム、TATAMIなど幅広く拡充しています。座るアイテムとしてはもちろんなのですが、サイドテーブルとしてや植物置きに使われることもあると伺っています。

THE STOOL も THE BENCH も、皆さんがどのように使いこなしているか、ぜひSNSへの投稿やレビューで教えてください!


氷室 拓磨(デザインチームマネージャー)

THE シリーズを見る
よみもの一覧に戻る