滞在可能なコワーキングスペース
長野県の北部に位置する人口約11,000人の町、小布施。この地に2018年4月にオープンしたのが滞在可能なコワーキングスペース、ハウスホクサイです。元々、町の公共施設として40年程前に建てられたこの2階建ての建物は、地元の農地で働く人たちが気軽に集い憩えるサウナや温泉が付いた場所でした。ハウスホクサイの名は、画家の葛飾北斎がこの地に滞在し、多くの作品を遺したことに由来します。向かいにある、文明4年(1472年)に開山した岩松院には北斎の天井画があることで有名。周囲を緑に囲まれた趣き深いこのコワーキングスペースは、オープン当初から、ウェブ関連やデジタルマーケティング関連の会社に法人会員として利用されています。
オープンから4年目を迎えた2021年5月、ハウスホクサイの2階に新たな会議スペースが生まれました。白を基調に明るく柔和なイメージでコーディネートされたこのミーティングルーム、眼下にはブドウ畑が広がる25平米の気持ちのいいスペースです。
掛け軸がシンボルのフェミニンな会議室
白×ナチュラルウッドがさわやかな定員8名のミーティングルームの中央には、240×100cm の特寸サイズのテーブル。ラバーウッドの天板と床や壁の色と合わせた白脚に、同じく白のアイアン脚のダイニングチェアを組み合わせました。設計担当者との打ち合わせを重ねながら目指したのは、柔らかいデザインとそれに合わせた什器のコーディネート。色や素材使いはもちろん、テーブルの配線孔や面取り加工で丸みを出し、チェアはやわらかなフォルムが特徴的なものを選びました。柔らかさの中にも会議室らしい統一感を出すべく、ダイニングチェアは4脚同じものをセレクトしています。
実際、掛け軸は和室だったというこの部屋の特徴を活かしてリノベーションした床の間にシンボルアイテムとして飾られています。
空間をあたたかく灯すガラスのペンダントライト
塩澤さんのもうひとつのお気に入りアイテムが、テーブルの上に吊り下げた2灯のペンダントライトです。球状のクリアガラスで覆われたライトはイメージしていたものより大きかったと言いますが、取り付けてみるとこの部屋のやさしいイメージを象徴するアクセントになったと実感しています。このミーティングルームを会議や面接で利用した方からも、空間のもつ清潔感のあるやさしい雰囲気が好評だそう。
「ミーティングや研修など、8~10人での利用を想定しています。窓の外にはブドウ畑が広がっていて緑豊か。開放感があるのでリラックスしながらご利用いただけます」と塩澤さん。
ミーティングルームは今後、防寒のために二重サッシ対応にするほか、ウッドブラインドの設置も予定しているそうです。
カフェのような空間で自由度の高い働き方を
1階のコワーキングスペースも見てみましょう。法人会員の固定席に加え、フリーアドレスのデスクで構成され、デスクやチェアが並びます。間仕切り要素もあるオープンタイプの本棚には、資料のほかに食器や雑貨がディスプレイされていてまるでカフェのような雰囲気。1階にもKANADEMONO のチェアやいくつかの什器が使われています。
実はオープン当初は知り合いのカフェなどいろいろな所から譲り受けたテーブルや椅子を使っていたそうですが、ほどなくして利用者のニーズに合わせてチェアの購入を決めたとのこと。
KANADEMONO を選んだ一番の理由は、リノベーションした部屋のデザインとの調和だったとのこと。 ハイブランドのチェアも検討しましたが、予算面と共に、チェアが目立ちすぎてアンバランスになることも懸念しました。一方で低価格の家具でまとめようとすれば、空間が安っぽくなるのでそれは避けたかったという強い思いも。
KANADEMONO の家具はデザインと価格の両面でハウスホクサイにとって満足のいく選択だったといいます。
座り心地を重視したチェアで負担を軽減
法人席に導入したハイバックデスクチェアは体をしっかり支える安定感と座り心地の良さが特徴。石畳のようなグレーブラックのタイル床に似合うデザインで、アイボリーとグレーの2色で揃えています。ちょっとしたミーティングにも使用できる4名掛けの自由席には、2種類のデザインデスクチェアを採用しました。
この場所での雑談から新しいプロジェクトが始まる、思いもよらぬアイデアが生まれる、そんな自由度と洗練さを兼ね備えているスペースに、KANADEMONO 家具が馴染んでいます。
ふらりと長野でワーケーション
ハウスホクサイを運営する塩澤さんは、自身が移住するタイミングでフルリモートワークを始めていました。そのため、コワーキングスペースは今後ますます需要があると感じ、数々の出会いや縁をきっかけにこの地にオープンしました。現在は県内に住む人たちの利用がメインですが、コロナ禍もあってリモートワークへの理解が進んだ今、月次利用の会員が増えているそう。「宿泊施設も備えているので、今後はワーケーションでのご利用も増えるといいなと思っています。週末にふらりと長野に来て仕事をする。自然にふれながらリラックスして仕事やプロジェクトに取り組める環境がそろっていますので、チーム合宿や経営者会議などにおすすめです」
かの葛飾北斎は、居住のベースは江戸にありながら、長野に滞在したことで、小布施に数多くの作品を遺しました。自然に囲まれた緑濃き環境の中で彼の創作意欲を刺激したこの地から、クリエイティビティあふれるサービスや技術、新しい暮らし方が生まれるに違いありません。
ナチュラルなラバーウッドにアイアン脚を組み合わせた会議用テーブルは、120×100㎝の天板を2枚ジョイントし、幅240cmに仕上げた8人掛け。脚色は床や壁となじむ白をセレクトしました。
会議室の椅子にはArt-Woodダイニングチェアを採用。前から見るとスクール椅子のようですが、脚の形が特徴的。テーブルに合わせて白のアイアン脚を選びつつ、フェミニンなイメージも兼ね備えたデザインです。
直径26.5㎝の丸型ガラスに囲まれたエジソンランプ。レトロさも感じさせるデザインは、床の間や掛け軸など和の要素が活かされたスペースにモダンな美しさをプラスしています。
背もたれが68㎝の肘掛け付きハイバックチェアは、安定感があり長時間座っても疲れにくいのが特徴。法人会員席と4人用の会議室にはアイボリーとグレーの2色のファブリックをセレクトしました。
テーブル席に配置した2種類のデスクチェア。スエードとプライウッドの組み合わせがモダンでおしゃれなStylish-Modernデスクチェアは、やや光沢のあるシルバーグレーのファブリックが洗練された印象です。
背もたれがやや低めの黒とグレイッシュブルーのチェアは、コーデュロイのようなファブリック使いが特徴のArtDecorデスクチェア。カフェのようなスペースにしたかったという、こだわりを叶えた二脚です。
エントランス脇のミニコーナーには、カウンターに木目の美しさと力強さを活かしたNovelty Simpleハイスツールをセット。Web ミーティング用に最適な隠れ家的スペースです。
法人会員の方がつかっているデスクに設置したデスクライトは、ツイストコード、真鍮のスイッチなどこだわりが詰まったデザイン。シンプルなデスク周りだからこそデザイン性のあるライトを選びました。
https://househokusai.com/