研究員自らがプランニング
リニューアルした研究センター
誰もが小さい頃から慣れ親しんできたチョコレートやビスケット菓子。1899(明治32)年創業の森永製菓株式会社で、時代や嗜好の変化に対応しながら、日々、商品の研究開発や製造技術の開発などに取り組むのが、神奈川県横浜市の研究拠点、森永製菓R&Dセンターです。
2022年に稼働を開始した同センターは、社員である研究員らが直にプランニングに携わり、約4年の月日をかけて完成しました。
さまざまなデータに基づき、研究員たちが求める環境を徹底して追求した森永製菓R&Dセンターのミーティングルームと集中エリアには、KANADEMONO の家具が導入されています。
その選定理由や使い方について、事務局としてプランニングのとりまとめを担当された森永製菓株式会社 研究所 研究開発戦略部 主任研究員の服部絵美さんにお話を伺いました。
その選定理由や使い方について、事務局としてプランニングのとりまとめを担当された森永製菓株式会社 研究所 研究開発戦略部 主任研究員の服部絵美さんにお話を伺いました。
創造性をあげる
カラフルなミーティングルーム
森永製菓R&Dセンターの2階には、個性豊かで見た目にも楽しく、おいしそうな名前がつけられた5つのミーティングルームが並んでいます。カラフルなアクセントウォール、その壁には白抜きの英文字、そしてカラーコーディネートされたデスク&チェア。いわゆるオフィスのミーティングルームとは一線を画すこの部屋のコンセプトや内装は、センターに在籍する約200人の研究員の中から選ばれた、若手を中心とした分科会メンバーが決定しました。
研究所を建て替えるにあたり、掲げられた目的は、“今までとは全く違う働き方を実現し、創造性をあげること。人との繋がりを大切にし、壁を作らないこと”。
「機能面は担保しながら、それ以外は長くここに務める研究員たちが、求める環境づくりを実現するために、ボトムアップで意見の抽出をしていくという発想で取り組みました」と服部さんは話してくれました。
5つのミーティングルームには、それぞれ Biscuit、Candy、Chocolate、Icecream、Jelly と部屋名を付けています。
「これは森永製菓の5大商品カテゴリーです。ミーティングルームを5部屋作ることが決まった後に、自社の商品カテゴリーの数と合うことに社員が気づきました。以後は、それぞれの主力商品や一番人気の味に合わせて各部屋の色や家具のデザインを楽しく決めていきました」
各部屋のアクセントウォールには、同社が目指す未来( 5つのビジョン)の英文字を入れることに決めたのも社員の発案でした。
この5つのミーティングルームのうち、3部屋に統一して導入されているのが、KANADEMONOの
ミニマル アート ハンガーラック です。
「これは森永製菓の5大商品カテゴリーです。ミーティングルームを5部屋作ることが決まった後に、自社の商品カテゴリーの数と合うことに社員が気づきました。以後は、それぞれの主力商品や一番人気の味に合わせて各部屋の色や家具のデザインを楽しく決めていきました」
各部屋のアクセントウォールには、同社が目指す未来( 5つのビジョン)の英文字を入れることに決めたのも社員の発案でした。
この5つのミーティングルームのうち、3部屋に統一して導入されているのが、KANADEMONOの
ミニマル アート ハンガーラック です。
ビビッドカラーに馴染む
黒アイアンの華奢なハンガーラック
当初は、いわゆるオフィス家具のカテゴリーからテーブルや椅子、その他のアイテムを探していたという服部さん。そこでは賄えないものもあると感じ、検索の範囲を広げ、以前からデザインやフォルムに興味があった KANADEMONO にたどり着きました。「特にコミュニケーションエリアに使用する家具は実務的なものより洗練されたものを求め、ハンガーラックは3部屋統一したものを採用したいと考えていました」
壁色の主張が強いため、ハンガーラック自体はシンプルでどの部屋に入れてもきれいに収まってくれるものを選んだそう。
スッと線を描いたような華奢でラインが美しい黒のアイアンハンガーラックは、ドアやガラス壁のフレームの黒と馴染みがいいというのも選択の理由です。
「実は研究所内には、自宅で THE LEGS / A ライン × Black Steel やアイアン スマートトレイ を使う研究員もいるということもあり、KANADEMONO の製品なら愛着を持って使ってもらえるのではと思いました」
自分たちが使う場所だからこそ、“自分ごと化させる”ことを大事にするという観点で進めてきたプロジェクト。
ハンガーラックひとつとっても愛着を持って使ってもらえるように、デスクやチェア同様、こだわりのあるセレクトとなりました。
自分たちが使う場所だからこそ、“自分ごと化させる”ことを大事にするという観点で進めてきたプロジェクト。
ハンガーラックひとつとっても愛着を持って使ってもらえるように、デスクやチェア同様、こだわりのあるセレクトとなりました。
集中エリアには
サイズ・カラーが選べる THE TABLE/リノリウム
3階の執務エリアもコミュニケーションに重きを置く、自由なレイアウトのフロア。同フロア一番奥の窓際に設けているのが、集中エリアです。"繋がる・壁を作らない"というコンセプトがあるなかで、こちらのスペースでは集中するために両サイドを板壁で区切り、12の個室を設けています。
ワークショップのメンバーに理想の1日の働き方をヒアリングしたところ、「書類を作る時など、集中して取り組みたい」という声があがり、このエリアを実現。
この中で10室は、扉付きの完全個室仕様。残りの2スペースは、扉はなく、代わりに遮断性の高いヘッドレスト付きチェアを組み合わせています。このスペースに設置されているのが、KANADEMONO の2台のサイズオーダーテーブルです。
造作のようにピッタリ収まるサイズオーダー
扉付の個室はすべて造作で、KANADEMONO のテーブルを入れているこのスペースの窓部分2箇所は消防法で定められた消防隊進入口のため、扉をつけることができない場所。当初は空きスペースの予定でしたが、せっかくならここにもデスクを入れて有効に活用したいという要望が出たことから、天板サイズをオーダーできるデスクを入れることに。
オーダーした TABLE / リノリウム 全24色 × Black Steel のサイズは、幅 130 × 奥行 75㎝。
しっかりと計測し、ちょうどいいサイズをオーダー。ぴったりと収まりもよく、他のテーブルと並んでいても全く違和感のない仕様になっています。
健康に配慮した社内づくりのための
直感的な色選択
カラー展開が多いリノリウム天板の中から選んだのは、Olive と Mauve。服部さんが真っ先に選んだのが、オフィスユースとしてはあまりイメージのない Olive でした。「造作のデスクに合わせて木の天板も検討しましたが、集中エリアの中でもちょっとした気分転換になればいいな、とこの色を選びました」
ウェルネスカンパニーを目指し、社員が働く時の心の環境、健康に配慮した社内づくりの一環で、各フロアに多くの植物を取り入れているとのこと。
自然素材のファニチャーリノリウム天板のやさしい色味と、この集中エリアの各個室にもある観葉植物とがマッチする、みずみずしい空間となっています。
テーブルは脚も選んで組み合わせることが出来たので、せっかくだから別々のデザインを選ぼうということになり、2台のテーブル脚は、Xライン脚とトラペゾイド脚をそれぞれセレクト。
ほかにもこの12の個室は、数種類の椅子を採用しています。利用する社員は皆、オフィスチェア、ゲーミングチェアなど自分の体に合う椅子が置かれている場所を優先的に選ぶそう。
それぞれの社員に合った使い方ができる、個性ある個室が出来上がりました。
ほかにもこの12の個室は、数種類の椅子を採用しています。利用する社員は皆、オフィスチェア、ゲーミングチェアなど自分の体に合う椅子が置かれている場所を優先的に選ぶそう。
それぞれの社員に合った使い方ができる、個性ある個室が出来上がりました。
今まで、そしてこれからも美味しいお菓子を
すこやかで楽しいオフィスから
3階と4階を吹き抜けにし、木製階段でつないだレストスペースは、森永製菓R&Dセンターのコンセプトを象徴する自由度の高いエリア。プロジェクターを投影して、ミーティングやイベント・セレモニーを共有することもあるといいます。こうして4年の歳月をかけてプロジェクトメンバーが積極的に職場環境に向き合い、声を拾い上げながらプランニングした同施設は、快適で機能的なオフィスに与えられる賞を受賞。
暮らしのそばにあるお菓子とともに、100年以上続いてきた歴史ある同社。その理念に寄り添い、森永製菓R&Dセンターは、社員と共においしいお菓子を作るための、たのしく・すこやかでいられるオフィスを生み出しました。
森永製菓株式会社 研究所(森永製菓R&Dセンター)
「おいしく たのしく すこやかに」をメッセージに、日本における西洋菓子のパイオニアとして時代とともに歩み続ける森永製菓。菓子食品・冷菓・健康機能の研究開発を手がけ、2022年に稼働をはじめた森永製菓R&Dセンター。同敷地内には、森永エンゼルミュージアムMORIUM、製造ラインを見学できる鶴見工場も併設されている。
https://www.morinaga.co.jp/
「おいしく たのしく すこやかに」をメッセージに、日本における西洋菓子のパイオニアとして時代とともに歩み続ける森永製菓。菓子食品・冷菓・健康機能の研究開発を手がけ、2022年に稼働をはじめた森永製菓R&Dセンター。同敷地内には、森永エンゼルミュージアムMORIUM、製造ラインを見学できる鶴見工場も併設されている。
https://www.morinaga.co.jp/
他にも紹介したい、ポイントいろいろ
壁に掲げられた Good quality! は、高品質な商品を追求し続ける同社における5つのビジョンの頭文字 「GOALS」 のGを表しています。
Candy ルームは、あの人気ソフトキャンディをイメージ。来客の際には、それぞれのお菓子に対する思い出話で盛り上がることも。
アクセントウォールにはハンガーラックの影がアーティスティックに写ります。華奢なラインとスリムな奥行きで、圧迫感のない洗練された印象に。
階段の踊り場に描かれたツリーは森永製菓の歴史そのもの。開発のストーリーや背景が一目でわかります。
集中エリアのテーブル素材であるファニチャーリノリウムは、指紋がつきにくく帯電防止効果があるので、ワークデスクにぴったりです。
Mauve カラーに合わせたのはスタイリッシュなトラペゾイド脚。重厚感がありながらも、気品のある台形のフォルムが映える人気の脚です。