コラム

KANADEMONO のこだわり 前編

“KANADEMONO のこだわり

KANADEMONO が製作するプロダクトには、いろいろなこだわりが凝縮されています。

素材選びから始まり、商品のデザイン性や、機能性の追求など、
すべてのプロセスにおいて可能性を吟味し、
KANADEMONO の意匠にあったものだけを日々製作しています。

こちらでは、KANADEMONO ブランドが生まれた背景も含めて、
KANADEMONO にまつわる、いろいろなストーリーをご紹介いたします。

はじまり

東京にある金物家具のかなでもの (2020年7月より KANADEMONO ) は、気に入ったテーブルがなかなか見つからず、 自分たちでテーブルを製作しようと思い始めたところからスタートしました。

「理想のテーブルとは何か‥‥?」

フランス、スペイン、東ヨーロッパを巡り、街角やカフェ、ホテルなどで見たテーブルからアイデアを膨らませていきます。

そして辿り着いたのは「洗練されたデザインのテーブル脚」でした。

ヨーロッパで発見したアーティスティックなデザインでありながら、普遍的でシンプルな鉄脚は、日本に古くからある「削ぎ落とされた美しさ」と共通するものを感じます。

「日本でも、デザイン性の高いテーブル脚の存在を知ってもらいたい」

このシンプルな想いがきっかけで、自分たちでテーブル脚の図面を起こし、製造をはじめることになります。

まずは、ヨーロッパの街角で見たデザインを思い起こしながら、日本の部屋の空間にも馴染むようにアレンジ。

最適な素材を選び、図案を元にテーブル脚の試作品を作ります。
そしてサンプルを実際に使用し、改善点を見つけ、より良い「金属脚」をひとつひとつ生み出していきます。

そして、完成した金属脚を少しずつ販売していくにつれ、気づきます。

「日本でも、デザイン性の高いテーブル脚を求めている人が多くいる」ということを。

こうして、テーブル脚のブランド「 KANADEMONO 」ができました。

現在も、KANADEMONO は、家具作りを始めたばかりの頃と同じ想いで、日々、いろいろなアイデアをかたちにして、新しいテーブルの金属脚をはじめ、「暮らしを奏でる」プロダクトを考えています。

料理と器の関係

「テーブルと脚」の関係は、「料理と器」の関係に似ていると考えます。

稀代の藝術家である北大路魯山人が、「器は料理の着物」と有名な言葉を残していますが、この「器を含めて、全体としての料理を考える」ことの大切さは、 「テーブルとテーブル脚」にも通じるところがあるように感じます。

テーブルというと、面積が広い分、どうしても天板だけに目が行きがちですが、実は、テーブル脚はテーブル全体の印象を大きく変えます。

天板を上手に活かして素敵なテーブルにするか、もしくはよく見かけるナチュラルテイストなテーブルにしてしまうかは、テーブル脚次第といっても、過言ではありません。

テーブルとテーブル脚の関係を大切に想うからこそ、KANADEMONO は、天板と金属脚それぞれのデザインや素材にこだわり、またその組み合わせを、お客さまに楽しんでもらいたいと思っています。

素材を活かす

KANADEMONO では、家具を製作するにあたって、素材感を活かすことを意識しています。

木の温もりや風合い、鉄の重厚感など、素材感を最大限に引き出すためには、素材選びも重要なポイントになります。

また私たちがどのような素材を扱っているのか、常に品質を管理するために、クオリティのチェックも欠かしません。


天板の素材について

  • 天板に使用する天然木は、できる限り国産の木材を使用することにこだわっています。
  • 国内で生育しにくい、または調達が難しい樹種などについては、海外にある日本法人の工場で製作されている天板を選定しています。
  • 天板は25mm厚以上のものを採用しているので、しっかりと木の温もりを感じられるのも魅力。
  • 天板の耐久性については、一般財団法人ボーケン品質評価機構による「JIS S 1205」という耐荷重試験に合格しています。

黒皮鉄について

鉄本来の素材感を出すために、一部の鉄脚は無垢の黒皮鉄(クロカワテツ)を使用。
黒皮とは鉄の表面を覆う酸化皮膜で、鉄材が生成されるときに自然に発生するものです。
自然の原理によって生まれる、この黒い皮膜は色や艶がそれぞれ異なり、独特な風合いを醸し出します。

光沢のある塗装した黒色とは異なり、独特の色艶でほのかに青く光り、特別な存在感を放つ鉄といえます。


無垢鉄について

一部の鉄脚は無垢鉄を使用。無垢鉄とは、中が空洞の鉄パイプとはちがって、中も鉄である、鉄そのもののことをいいます。
よって無垢鉄は重いですが、だからこそ安定感があり、強度もあります。


>KANADEMONO のこだわり 後編につづきます。

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