花本来の美しさを引き立てる
洗練されたオフィス空間
京都御所にほど近い、閑静なエリアに本社を構える株式会社 VALFLOR(バルフロール)は、ウェディングフラワーの企画・制作、商業施設のフラワーディスプレイなどを年間を通じて数多く手掛ける会社です。2011年8月の設立から一貫して「花たちのさまざまな表情を引き出して、すべての人を感動へと導く」ことを企業のバリューとして活動。花本来の美しさや輝きを引き出すことで、セレモニーやパーティーを今ここにしかない空間として彩りつづけています。
1階がアトリエ、2、3階がオフィス機能を有していますが、設立当初は1階がアトリエ兼事務所でした。2020年、それまでシェアハウスとして使われていた上階部分をリノベーション。1階は引き続きアトリエとして、2階を社員が利用するオフィス及び商談、会議スペースとして使用しています。
バランスを知っているからこそできる
黒の統一感
今回 KANADEMONO のプロダクトでコーディネートしたのは、2階部分。コンクリートの床と白い壁、黒枠の大きな窓がある仕切りのない広々とした空間です。黒い窓に面した約40㎡のエリアには、長テーブルを2台、縦・横、異なる向きでレイアウトしています。
・写真奥 幅: 300 × 奥行: 100 cm(8人掛け)
・写真中央 幅: 180 × 奥行: 100 cm × 2台(6-12人掛け)
1階のアトリエからの行き来にも便利なアイアン階段(写真右側)は、リノベーション時に新設したもの。この階段もプランの段階から黒で統一すると決めていました。黒で塗装したドアも含めて、所々のブラックが広々とした空間全体を凛と引き締めています。
写真右奥は、社員の方のワークデスクのエリア。ちょうど KANADEMONO のデスクチェアが見えます。
お客様が最初に目にする
インパクトのあるアイアンのX脚
陽の光がよく入る、気持ちのいい奥の空間に配置したテーブルは、主に商談用の場として利用。幅: 300 × 奥行: 100 cm の THE TABLE は、ラバーウッド材ナチュラルの天板にXラインのブラックアイアン脚を組み合わせました。
数種類のブラックアイアン脚の中からXラインを選んだのは、シンプルなのに程よく個性を感じさせるデザインだから。
「2階にお客さまをご案内した時に、この位置、この角度なら、まず脚部分が目に入りやすいことを想定して選びました」と語るのは、株式会社 VALFLOR(バルフロール)の代表中野さんです。
重厚感が出過ぎないように
ナチュラル色の天板を
中野さんと KANADEMONO との出会いは、リノベーション後のオフィスで使う大きめのテーブルとチェアをインターネットで探したのがきっかけでした。新設したフロア中央にある直階段や窓枠に合わせ、黒のアイアン脚の家具を探していたところ、偶然 KANADEMONO を知ったとのこと。
「シンプルなデザインで価格が高すぎず、安すぎなかったことが決め手でした。空間に統一感を出すためにも、なるべく同じブランドで揃えたいと思い、KANADEMONO のサイトをかなり念入りに閲覧しましたね。空間において、黒が占める割合が多めだったので、重くなりすぎないように木のナチュラル感をプラスしています」
テーブルの天板にラバーウッドナチュラルを選んだのは、花を扱う企業としての自然な配分だったと語る中野さん。
「KANADEMONO は天板もたくさんの種類の中から選べるのが特徴ですが、ブラウンやウォルナットは、重厚感が出過ぎてしまうので、明るく、さわやかなナチュラルに決めました」
空間にぴたりとはまる
アーティスティックなペンダントライト
商談スペースのテーブル上には、試験管のような電球がユニークでアーティスティックな印象の Glass × Tube Clear Gray Disk Pendant Light を2灯吊り下げています。シックなグレーのシェードに暖色系の黄色い光であたたかみを加えました。「当初は別の球形クリアガラスシェードのライトをセレクトしていましたが、大きすぎる印象だったので、このペンダントライトに変更しました。色も形もとてもしっくりきて、気に入っています」
ライトのコードは光の量やテーブルとのバランスを計りながら、天井から60㎝の長さにカットして使用しています。
額縁のようなスクエアづかいが生み出す
ミニマル感
フロア中央にあるミーティングスペース用テーブルは、商談スペースとは向きを変えてレイアウト。天板は同じラバーウッド材ナチュラルですが、幅: 180 × 奥行: 100 ㎝ を2台つなげて配置しています。ブラックアイアン脚は、商談スペースのXラインとは異なるスクエアタイプを選びました。窓枠やハンガーラック、サイドテーブルなど、スクエアで統一されおり、空間全体に統一感とすっきりした美しさを感じさせるコーディネートです。
事務的にまとまらないよう
ミーティングテーブルを演出
チェアは、商談スペース、ミーティングスぺ―ス共に Homy - Retro ダイニングチェア アッシュ材のブラックを採用。木目の表情が活かされたスタイリッシュな背もたれと、華奢なアイアン脚の美しさがポイントです。ブラックで木のナチュラル感があり、洗練された印象のチェアはなかなか他にありません。「ミーティングテーブルには6脚を片側に並べ、対面にはベンチを組み合わせ、事務的な雰囲気にまとまらないよう演出しました。ベンチに使用している半分にカットされた丸太は、以前うちのホームページの撮影で使用したものをベンチとして加工したものです」
ベンチの脚をアイアンにしたことで、テーブルやチェアと見事に調和しています。
お客様をさりげなくもてなす
シンプルでアート性のある雑貨づかい
ミニマル アートハンガーラックとミニマル レクタングル サイドテーブルは、来客用に用意したアイアン&スチールアイテムです。サイドテーブルはソファ―やベッドサイドで使われることが多いですが、ハンガーラックの横に置くことで、お客さまの荷物置きとして使用します。細やかな気配りが行き届いた商談スペース、ミーティングスペースから、クリエイティビティに溢れた企画・提案が生まれていく様子が目に浮かびます。
遊び心いっぱいの
リビングカフェのようなリラックススペース
人が行き来する階段に近いエリアには、遊び心あふれるリラックススペースを設けました。最も目を引くのはブラックのスタイリッシュな卓球台です。VALFLOR と社名ロゴの入ったネットはオンラインでオーダーできたとのこと。開放的な雰囲気で、ウェルカム感を出しています。
「卓球台は以前から置きたいと思っていて、かっこいいデザインのものを探していました。社員がリラックスしてコミュニケーションできるきっかけになればいいなと思っています。来社されたお客様からもユニークですねとよく声を掛けられます」
中野さんご自身が卓球経験者というわけではなく、あくまでもスタッフの懇親のための楽しい仕掛けです。
壁際には2シーターのソファと切り株のスツール。お茶を飲みながらゆっくり読書でもしたくなる、リビングカフェのような設えです。
インテリア雑誌から飛び出したような
ナチュラル&モダン
Natural - Modern ファブリック ソファ 2 seater は KANADEMONO で定番人気のロータイプソファです。張り地は澄んだ海の色のようなインディゴブルーをセレクト。快適な座り心地はもちろんのこと、ディスプレイとして見るだけでもリラックス効果が得られそうな、深くてやわらかさを感じるブルーが印象的です。脚はオーク材使用で、ソファサイドに置いた切り株のスツールともぴったり。ソファ頭上には、メモのようなペーパーをシェードにした INGO MAURER(インゴ・マウラー)のペンダントランプ Zettel'z(ツェッツル)が。マウラーはドイツの照明デザイナーで「光の詩人」と称されるほど情緒ある作風で知られています。
黒板に無造作に描かれた花のドローイングや走り書きは、まさに VALFLOR(バルフロール)が大切にする、感性を表現しているかのよう。
機能性とデザイン性の両方を叶えた
オフィスチェア
中央のアイアン階段を境に東側に位置するオフィススペースは、個人デスクが6席ずつ並ぶ、2つの島で構成されています。「オープンスペースなので、商談に来たお客さまにもこのワークエリアが見えてしまうんです。なので、いかにもオフィスチェアというものより、色やデザインにもこだわってセレクトしたかったんです。もちろん長時間座っても疲れないという機能性に加えてですね」
Stylish - Modern Silver gray デスクチェアは、背もたれの絶妙な反りと、座面にも使用されているスエード調の生地がモダンな雰囲気。キャスター付きで取り回しもよく、社員の皆さんにも好評です。
分刻みで彩り豊かなフラワーコーデが生み出される
冷静と情熱のアトリエ
1階のアトリエでは朝から分刻みで納品用のコーディネートの準備が進んでいます。担当がそれぞれの案件を黙々とこなす姿は、職人でありアーティスト。真剣な眼差しが印象的でした。特にブライダル案件の多い 5~6月と 9~10月は繁忙期で、アトリエには無数の季節の花や葉物、枝ものが所狭しと並びます。ちょうど取材に訪れたのも繁忙期の5月。花の甘い香りや葉のフレッシュな匂いに包まれながらも、的確にキビキビと動く手に目が釘付けになりました。
ひんやりしたアトリエは、冷静と情熱を携えたフラワーコーディネーターの皆さんの活気に満ち溢れています。
「裏方なので直接お礼を言われる機会は少ないですが、お客様の人生の節目にこうした形で関われること、限られた時間の中で生み出した作品を心から喜んでいただけることが何より嬉しいです。」
「ありがとう」は最高のモチベーションだと中野さんは続けます。
コロナ禍を経て、ガーデンウェディングやアウトドアイベントなど、フラワーコーディネートにも新しいシーンが加わったそう。今できる条件でどのような提案ができるか、前向きに捉えながら挑戦を続けていく株式会社 VALFLOR(バルフロール)。
「フラワーアレンジや花束づくりだけじゃない、大きな空間だからこそ装飾の幅が広いことがこの仕事の魅力です」
時間をかけて築いてきた信頼があるからこそ、同社が生み出す創造性豊かな作品にこれからも大きな期待が寄せられるに違いありません。
「ありがとう」は最高のモチベーションだと中野さんは続けます。
コロナ禍を経て、ガーデンウェディングやアウトドアイベントなど、フラワーコーディネートにも新しいシーンが加わったそう。今できる条件でどのような提案ができるか、前向きに捉えながら挑戦を続けていく株式会社 VALFLOR(バルフロール)。
「フラワーアレンジや花束づくりだけじゃない、大きな空間だからこそ装飾の幅が広いことがこの仕事の魅力です」
時間をかけて築いてきた信頼があるからこそ、同社が生み出す創造性豊かな作品にこれからも大きな期待が寄せられるに違いありません。
株式会社 VALFLOR(バルフロール)は京都を中心に、軽井沢、栃木、静岡にアトリエをもつフローリスト。ウェディング関連企業と提携したウェディングフラワーの企画・制作、商業施設や企業関連施設でのフラワーディスプレイをフラワーデザイナーが企画から制作まで手掛ける。お客さまの人生に寄り添う装花で、花の魅力と可能性を発信し続けています。
https://www.valflor.com/
https://www.valflor.com/
他にも紹介したい、ポイントいろいろ
コロンと丸みのあるデザインとコーヒーブラウンの落ち着いた色がどんな花にも合わせやすい 「暮らし」 × 「花」 ガラスフラワーベース ブラウンPOT には、発色の良いものが増えたことで人気のドライフラワーをセレクト。
オフィススペースでセレクトした2種のチェア。もう一つの島で使用しているのは、ヒップ部分のくり抜きが個性的な Artistic - Simple ファブリック デスクチェア グレー。背中のほどよいホールド感がポイントです。
お客様からのリクエストに対して、デッサンをイメージで起こし、色付けして具体的に提案。バルフロールにはこうした設計図になる絵を描くスタッフが専属にいます。
商談スペースの壁にはフラワーモチーフのアートをディスプレイ。ガラスシェートと卓上のフラワーベース、壁のフラワーアートは、華やかなシーンのプランニングを進める場にふさわしいコーディネート。
使い慣れた道具と長年培った指先の感覚を生かして、細かい作業を黙々と進めていく様子。フラワーコーディネーターの皆さんが生み出す仕事には、格好良さが詰まっています。
ブーケの仕上げは、実際に持った時の見え方を鏡に写してみて細部までチェック。花の特徴を生かしながら最善のコーディネートでクライアントのリクエストに応えます。