黒を基調にした 木とアイアンの
力強いオフィス
造園の町 埼玉県川口市の自然豊かな環境で、1983年に創業の中田造園株式会社。「非日常空間をプロデュースする」をコンセプトに、そこに暮らす人の癒しの空間を演出。また、公共施設の造園工事や施設の緑化工事、エクステリアなどを手掛け、緑の維持管理を通じて地域環境の整備に力を注いでいます。
同社は2022年、社長宅のガレージを有効活用し、オフィスをリノベーション。黒を基調に、木とアイアンを組み合わせることで、木材本来の力強さを感じられる事務所スペースと2箇所の会議スペースが新たに出来上がりました。
このオフィスの設計を担当した、株式会社LADの萩原さんにお話を伺いました。
外と中を緩やかにつなげる
土間仕様のエントランス
ガラスの扉と大きな窓で設えたエントランスは、開放的でクリーンな印象。「クライアントをはじめ、関係各所からの来客も多いため、入口は外と内とのつながりを意識してフラットに仕上げました」
エントランス兼ミーティングスペースを土間仕様としたのは、土のついた履物で出入りすることが多い造園会社ならではの作り。テーブルとチェアが並び、存在感のある造り付けベンチが真っ先に目に入ります。
クライアントと打ち合わせをしたり、関連会社との商談やミーティングが行われる、約11㎡ のこちらの土間スペース。
グレーブラックのタイルを敷き詰め、大きな窓と木の使い方がポイントとなる土間の中央には、造園会社らしく大型の植栽や季節の樹木をコーディネートできる、シンボリックなスペースを設けました。
「植栽を囲むようにコの字に造作したウッドベンチは、待ち時間に軽く腰を掛けられるレストスペースとしてデザインしました」
萩原さんの狙い通り、社内でとても好評で、実際に座ってくださる方もいるようです。
グレーブラックのタイルを敷き詰め、大きな窓と木の使い方がポイントとなる土間の中央には、造園会社らしく大型の植栽や季節の樹木をコーディネートできる、シンボリックなスペースを設けました。
「植栽を囲むようにコの字に造作したウッドベンチは、待ち時間に軽く腰を掛けられるレストスペースとしてデザインしました」
萩原さんの狙い通り、社内でとても好評で、実際に座ってくださる方もいるようです。
雑木林とのつながりを感じる
THE TABEL 無垢 杉 ヴィンテージスタイル
このスペースには、幅:160 × 奥行 : 72cm の THE TABLE 2台を配置しています。樹木や草花を扱う造園会社なので、天板は木目や節の美しさを感じられる自然素材をセレクト。大きな窓の向こうにつながる雑木林には、無機質なイメージの天板は似合わないと考え、無垢 杉 ヴィンテージスタイルを選んだそう。
自然とのつながりを感じられる借景に、テーブルやチェアが馴染むコーディネートです。
テーブルの脚をIラインにしたのは、座りやすさへの配慮から。ミーティングの人数によっては、チェアを移動することもあるためテーブルの脚が邪魔にならないよう、すっきりした I脚 をセレクトしています。
チェアの脚も細身のデザインなので、複数台並べても軽やかな印象。天板に合わせ、座面と背もたれが木製のものを選び、6脚ずつセットしました。
取材後、雑木林につながるこちらの窓際にはウッドデッキを造作。より開放的で自然との共生を感じられるようにアレンジを加え、気持ちのよいオフィス環境を整えているそうです。
チェアの脚も細身のデザインなので、複数台並べても軽やかな印象。天板に合わせ、座面と背もたれが木製のものを選び、6脚ずつセットしました。
取材後、雑木林につながるこちらの窓際にはウッドデッキを造作。より開放的で自然との共生を感じられるようにアレンジを加え、気持ちのよいオフィス環境を整えているそうです。
明るくナチュラルにまとめた
ミニマルな会議スペース
土間スペースに隣接するもう一つの会議スペースは、白を基調にした 6.51㎡ のこじんまりとしたスペース。当初は間仕切りを入れず、オープンスペースにする予定だったものを、センシティブな打ち合わせにも対応できるよう個室へ変更。あえてテーブル1台が入る程度の小さめなスペースとして設計しました。
応接室のような重厚さや堅苦しさは感じさせない、程よいフランクさがこのスペースのポイントです。
こちらには、幅:180 × 奥行: 80cm の THE TABLE ラバーウッドナチュラル をセレクト。
チェアは、背もたれにアッシュ材を使用したさわやかな印象の Homy -Retro ダイニングチェアを合わせています。体の大きい方にも座りやすいよう、座面が広めの椅子をコーディネートしました。
チェアは、背もたれにアッシュ材を使用したさわやかな印象の Homy -Retro ダイニングチェアを合わせています。体の大きい方にも座りやすいよう、座面が広めの椅子をコーディネートしました。
マットブラックで生む
カジュアルモダンな格好良さ
45.06㎡ の事務所スペースは、THE TABLE リノリウム Neroカラー を中央に12台、窓側に4台レイアウトしています。・写真中央 幅: 120 × 奥行: 65 cm × 12台(1人掛け)
・写真右側 幅: 120 × 奥行: 60 cm × 4台 (1人掛け)
当初はサイズの大きなテーブルを考えていましたが、個別のデスクを持つことで業務の効率化を図れることと、レイアウトチェンジなどが比較的しやすいというメリットを考え、個別のテーブルをつなぎ合わせて配置するスタイルに。
このサイズのデスクにバランスがよく、かつスタンダードであることから、レクタングルタイプの脚を組み合わせました。
マットブラックの美しさがこの事務所に合うと思い、この リノリウム Neroカラー の天板に決めた萩原さん。
「ツヤのあるブラックではトゥーマッチだったと思います。この リノリウム Neroカラー なら、ウォルナットの床に合わせても暗くなりすぎず、シックな雰囲気になることがセレクトの決め手でした」
柔らかな印象のファニチャーリノリウムの素材感とよく合う、木目が見える天板のエッジ部分。落ち着いたトーンの中にも軽やかさが出て、空間のアクセントになりますね。
「ツヤのあるブラックではトゥーマッチだったと思います。この リノリウム Neroカラー なら、ウォルナットの床に合わせても暗くなりすぎず、シックな雰囲気になることがセレクトの決め手でした」
柔らかな印象のファニチャーリノリウムの素材感とよく合う、木目が見える天板のエッジ部分。落ち着いたトーンの中にも軽やかさが出て、空間のアクセントになりますね。
設計の打ち合わせ段階で、違和感のない格好良さを目指したいとリクエストされた新オフィス。家具の搬入を終えた後、リノベーションされた空間を見た社内の皆さんからは高評価だったとのこと。
内と外をゆるやかにつなぐ中園造園株式会社からは、暮らしと自然を結びつける数多くの提案や事業が今日も生まれています。
内と外をゆるやかにつなぐ中園造園株式会社からは、暮らしと自然を結びつける数多くの提案や事業が今日も生まれています。
中田造園株式会社は、造園の町 埼玉県川口市に居を構え、造園や外構の設計施工管理を手がけています。「非日常空間をプロデュースする」をコンセプトに、そこに暮らす人、利用する人の利便性をおろそかにせず、癒しの空間を演出。また、緑の維持管理を通じて地域環境の整備に力を注いでいます。
http://nakadazoen.co.jp/
http://nakadazoen.co.jp/
株式会社LADは、2017年に埼玉県川口市にて設計事務所をスタート。様々な設計を手掛け、「子どもの未来を育む企業」を目指し事業を展開しています。2022年2月より、建築工事を行うグループ会社として「株式会社ZOW」を設立。ZOW=造 に由来するその名の通り、良いものを造ることを使命として、高いクオリティで具現化することを目指しています。
https://lad-walkthelife.jp/
https://lad-walkthelife.jp/
他にも紹介したい、ポイントいろいろ
それまでの給湯室をオープンスタイルのカフェスペースにしたことで、社員の誰もが気軽に利用でき、メンテナンスもしやすくなりました。
仕事上の書類や関連書籍は右の棚に収納。テーブルや脚、棚などをオフィスのキーカラーとなるブラックでまとめ、統一感を持たせています。
事務所スペースとエントランスを仕切るウッドベンチ後ろの壁は、全面を覆わず左右に抜けを作り、内と外との自然なつながりを表現しました。
土のついた靴で入室しても気にならない土間仕様のミーティングスペース。出入りする人が気持ちよくいられるための心くばりがなされています。