スペシャリストをお招きして配信したインスタライブの様子を JOURNAL にてお届けするインスタライブアーカイブ。
今回は照明コーディネーターとしてご活躍中の細谷友美さんにライトの選び方や明かりの取り入れ方のコツをレクチャーしていただきました。
楽しい時間やリラックスタイムを快適にする心地いい空間づくりのアイデアが満載です。
まずは照明器具を学んでいきます
照明には、どんな種類があるのでしょうか?
さまざまなタイプがあるのですが、主流は直接天井に取り付けるシーリングライトやコードで吊り下げるペンダントライトですね。
多くの住宅の天井には引掛シーリングという配線器具が設置されていて、その器具にライトを取り付けます。引掛シーリングはいろいろなタイプがあるので、ライトを購入する前に自分のお部屋の引掛シーリングがどんなタイプなのか、しっかり確認しておくことが重要です。
他には、埋め込みタイプのダウンライトや、Kanademono BASE でペンダントライトを設置している、レール状のダクトレールがあります。ダクトレールは店舗やオフィスで使われていることが多い照明器具ですが、最近では新築やリノベーションした住宅にも使われています。
- 天井照明の主流は、取り付けタイプがシーリングライトやペンダントライト、埋め込みタイプがダウンライトやダクトレール
- 照明を購入する際は、事前に引掛シーリングのタイプのチェックを
素材によって光り方が違う
シェードのいろいろ
シェードの素材によって、光り方に違いはあるのでしょうか?
はい、異なります。まず、アルミや真鍮などの金属製や陶器のような素材のシェードは、光が周りに広がらず、シェードの下のみを照らすので、例えばテーブルの上に設置した場合はテーブル面だけが明るくなります。
一方、ガラス素材のような色味のないクリアなものは天井まで光が照らせるのと、煌めき感があり華やかな印象になります。乳白色のシェードはやわらかく光るので、温かみのある雰囲気になります。
お部屋をどのような雰囲気にしたいか、どのような用途で使いたいのかによって、シェードのタイプを選んでいただくといいと思います。
また、ペンダントライトの特徴として、低く吊るせば吊るすほど光が対象物に当たり、高いほど光が広がるのでコードの長さも含めて検討していただくといいと思います。
InstaLive で紹介したペンダントライト
Handmade Glass Mini Shade Pendant Light
ブラックソケットと手吹きの硝子シェードがレトロモダンなペンダントライト。クリアなシェードから広がる艶やかな光で空間が華やぎます。
Milky Glass Mini Shade Pendant Light
ミルキーなガラスシェードとオレンジ色のやわらかな灯りが温かみを感じるライト。どんなお部屋に馴染むシンプルで飽きのこないデザインです。
真鍮製 フラット シェード ペンダントライト
シェードも灯具もすべて真鍮製の贅沢なペンダントライト。経年変化によってアンティークのような風合いが楽しめます。
素焼き 三角帽子 ペンダントライト
素焼きのライトは石のようなテクスチャーと可愛らしい小ぶりな三角シェードが特徴。玄関や寝室にひとつ灯したり、複数並べても素敵。
目的やシーンによって電球を付け替えてみましょう
電球にも種類があるのでしょうか?
電球は白熱灯とLEDの2種類があります。現在は、白熱灯に比べて消費電力が少ないこと、またランプの寿命が長いのでLEDが人気です。LEDは熱を持たないので電球が熱くならないのも特徴です。
ワット数もいろいろあると思うのですが
それぞれの明るさの特徴について教えてください
実際にこちらのアルミシェードのペンダントライトを使ってみていきましょう。
まずは白熱灯のクリアな色味の25W電球を付けてみます。25Wはトイレのような1畳くらいの狭い空間でもかなり暗く感じるワット数です。25Wの電球を何灯か使用したり、フロアライトなどほかの照明と合わせて使うのがおすすめです。リビングダイニングを暗い空間にしたい方向けのワット数でもあります。
次に、40Wの電球に付け替えてみます。40Wは4.5畳の明るさがとれるワット数になります。
さらに明るい60Wは6畳くらいのお部屋の明るさがとれます。60Wは一般的にペンダントライトを購入した際に付属する電球で、メジャーなワット数と言えます。
60Wの電球をダイニングで使用する場合、4人掛けのテーブルで2灯、6人掛けで3灯ぐらいが明るさの目安になります。
- LED は白熱灯に比べて消費電力が少ない、ランプの寿命が長い、熱を持たないなどの利点がある
- 25Wは1畳でも暗く感じるワット数。多灯吊りや他の照明と合わせての使用がおすすめ
- 40Wは約4.5畳の明るさがとれるワット数
- 60Wは約6畳の明るさがとれるワット数
InstaLive で紹介したペンダントライト
Retro - Modern Alumi Shade Pendant Light
アルミシェードと真鍮灯具の組み合わせが程よくアンティーク感を演出。インダストリアルな雰囲気もありながら品のある仕上がりに。
大きなアルミシェードのペンダントライトは存在感抜群。リビングダイニングや店舗まで、様々な空間の主役になってくれます。
電球の色味を知れば、より心地いい空間に
電球の色味について教えてください
オレンジ色に光るものが電球色という色味になります。電球色はカフェやバー、ホテルなどの落ち着いた空間に使われていて、リビングやダイニングなどリラックスしたい空間にお使いいただくのがおすすめです。
白く光るものが昼白色で、コンビニやスーパー、学校など活動的な場所に使われている色味です。文字がくっきり見えるので、ダイニングやデスクで仕事や勉強をする際に適しています。
調光・調色タイプといって光の明るさと色味を変えることができる便利な電球もあります。KANADEMONO ですと、調光機能がついてるのは Smart Minimal Bar Light ですね。
色味は電球色から昼光色に調色できて、明るさは100%から5%まで暗くすることができます。垂直に立てて使ったり、横置きして使用することもできるので、テレビの後ろやソファーの下などに配置すればグッと雰囲気のある空間になりますよ。
- リラックスしたい空間にはオレンジ色の電球色
- 仕事や勉強をする際に適しているのは白く光る昼白色
InstaLive で紹介した調光タイプのライト
視聴者さんの質問に答えていただきました
寝室におすすめのライトはありますか?
また、読書に適したライトを教えてください
寝室でしたらこちらのようなガラスシェードのテーブルランプはいかがですか?
ベッドサイドにチェストなどを配置して、その上にライトを置くといいと思います。色は柔らかく光る電球色がおすすめです。
付属の電球が40Wでガラスシェードということもあり寝室で使うには眩しい可能性があるので、25Wの電球に付け替えてお使いいただくのがいいと思います。
読書には首が曲げられるものや調光できるものがいいですね。
InstaLive で紹介したテーブルランプ
アトリエで作業用に使いたいのですが
どんなライトを選べばいいでしょうか?
シェードの直径が大きいもの、光を拡散させるようなものがいいと思います。
電球は60Wより100Wくらいの明るさですと手元がしっかり見え、作業がしやすいと思います。 色は昼白色がおすすめですね。調光調色が可能な電球を使うのもいいと思います。
ダイニングにペンダントライトを3つ付ける予定です。
1個のワット数はどのくらいがいいですか?
60Wにしていただくとしっかり明るくなります。
少し明るさを落としたいのであれば40Wでも大丈夫です。
黒いキッチンに合わせたいが、ダイニングに使うモダンなデザインではどんなペンダントライトがおすすめですか?
こちらのゴールドのライト Box Frame Pendant Light はいかがでしょう? エッジの効いたオシャレな空間に仕上がると思いますよ。
ホワイトのガラスグローブのライト Glass globe Pendant Light 1 も素敵だと思います。真鍮のゴールドがアクセントになっていて黒いキッチンと相性がいいと思います。
あとはグレーガラスの照明 Glass × Tube Clear Gray Round Pendant Light もいいですね。ビームライトという細長い電球が付いていてスタイリッシュなデザインなので合うと思います。
InstaLive で紹介したペンダントライト
Box Frame Pendant Light
アンティーク風にヘアライン仕上げしたゴールドフレームが4灯を囲む、オブジェのような存在感のペンダントライト。お部屋を贅沢に彩ります。
Glass globe Pendant Light 1
真っ白なガラスグローブにブラックの灯具がシック。ゴールドが高級感を高めます。3灯タイプもあり空間のトータルコーディネートが可能です。
Glass × Tube Clear Gray Round Pendant Light
クリアグレーの大きなガラスシェードの中に、縦長の電球がアクセントになったペンダントライト。お部屋が洗練された印象に仕上がります。
Gold × Glass Ceiling Light 3
クリアなガラスボールとゴールドのアームがラグジュアリーなシーリングライト。消灯時でも空間を華やげます。
空間に奥行きを生む照明計画
最後に、素敵なお部屋を照明でつくるコツがあれば教えてください
照明コーディネートをするときは、高め・中間・低めといったように、照明を配置する位置を変えていただくととってもいいんです。
天井にはシーリングライトやペンダントライトを、中間や低い場所にはスタンドライトやテーブルランプなどを配置して光を分散してあげると、奥行きが生まれてバランスのいい豊かな空間になります。
フロアライトなどの間接照明は壁の近くに配置すると、光が壁に当たりやさしい雰囲気をつくり出します。
夜の食事を終え、映画を観たり音楽を聴いたり、ゆったりとした時間を過ごす時にはお部屋全体を照らす主照明を消し、フロアライトとテーブルランプを灯せばリラックス空間を演出してくれるはずです。
また、電球のワット数を替えるだけでもムードの違いを感じることができますし、手軽にチャレンジできるのでおすすめです。
電球が見えるようなタイプの照明でしたら、電球のデザインにもこだわるとより愛着が湧くものになるかと思います。
眺めて気分が上がるお気に入りの照明をお部屋にコーディネートすれば消灯している日中でも楽しめますよ。
ぜひ、照明で心地のいいお部屋をつくり、素敵な冬のおうち時間をお過ごしください。
- 照明は高・中・低に配置し光を分散させると空間に奥行きが生まれる
- 間接照明は壁の近くに配置するとやさしい雰囲気を演出できる
- 電球のワット数を替えるだけでもお部屋に変化をつけられる
- 電球のデザインにもこだわるとより愛着が湧く
お伺いしたのは・・・
大学にて建築、インテリアを学んだのちパナソニックに入社。照明電気設備担当のショールームアドバイザーとして勤務。照明コンサルタントの資格を取得し、現在はフリーで照明、インテリアコーディネータとして活躍中。Instagram(akari_no_soudan)にて、インテリアの情報を発信。DMでプラン相談も受け付けているそう