膨大な蔵書から一冊の本を選ぶように
生地を選ぶショールーム
古くから繊維問屋の街として知られる大阪船場。ここは大阪の商人達が集う歴史的なビジネスエリアでもあります。そんな活気溢れる船場の中心地で、1964年に創業した老舗の生地問屋が、今回ご紹介する有限会社山冨商店です。 老舗ではありますが、新しいアイデアに溢れたクリエイティビティを大切にしている会社。布を使ったモノづくりに関わる全てのお客様に必要とされたいという強い想いから、生地問屋を軸としたアメーバビジネスを目指しています。
山冨商店と関わるのは、服飾デザイナーだけではありません。ECサイトや企業ブランディング活動などに関わるさまざまな人がアイデアを求めてショールームを訪れます。
KANADEMONO の家具を利用してリニューアルしたのは、サロン的なスペースでもある、こちらのショールームでした。1万種類以上もの生地サンプルを実際に見られる商談スペースは、山冨商店の顔とも言える場所。
生地と人が出会う図書館のようなスペースに
ショールームに入ると、まず目を引くのがカラフルなファイルを収めた棚。こちらの空間のリニューアルを担当した濱本さんが最初にイメージしていたのは図書館だったとのこと。「1万種類以上の生地サンプルを収めるファイルが壁一面に収納されている雰囲気は、図書館をイメージしながらつくりあげました。図書館で整然と並んだ背表紙を眺めているとワクワクするような感覚があると思うんですが、それに近いものをこの場で体験できたらと思っていたんです」
創造意欲を刺激されるスペース
図書館のもつ「知識の宝庫」という印象が、こちらの生地のサンプル棚では、まさに「アイデアの宝庫」に。カラフルな色を見ているだけで創造意欲を刺激されるようです。「サンプル帳の棚の隣には、サンプルの生地を広げても十分なスペースを取れるサイズのスタンディングデスクが欲しいなと思っていました。そしてインターネットで検索しているうちに、KANADEMONO のシンプルなスタンディングデスクを見つけたんです」
ショールームのスペースを考え、幅:140 x 奥行:80cm サイズのスタンディングデスクをセレクト。2台並べることで、生地を並べる十分なスペースを確保することが可能になりました。
2台並べて十分なスペースを確保
こちらの大きなスタンディングデスクであれば、生地サンプルが収まったファイルを数冊広げて数人がミーティングをしても十分な広さです。さらに濱本さんの希望に合った、カフェ風のラウンドテーブルも直径100cm という大きなサイズのものをセレクト。こちらも2台並べて配置しています。
「サイズが自由に選べるのに、リーズナブルな価格というのがありがたかったです。これだけ大きなサイズの天板を使ったデスクやテーブルが、予算の範囲内で収まりましたから」
明るくてナチュラルベースの空間に映えるブラック
ショールーム全体は自然素材を使った明るいナチュラルを基調に仕上げています。フロアがダークブラウンだったので、テーブルの天板をナチュラルカラーにしたのが正解だったようです。空間全体が軽やかなトーンになりました。また鉄脚のブラックが入ることで、ナチュラル感に引き締まった印象をプラス。このブラックがフロア全体に統一感を与えています。
素材別、テイスト別などにサンプル生地が収まっている壁面の棚のエリア。ここに来た方は、図書館で本を探すように見本帖を選び、スタンディングデスクやラウンドテーブルに座ってそれを熟読するように生地を見比べるのでしょう。
生地とクリエイターの思いが出会う、素敵な場所がここにあります。
ナチュラルなラバーウッド天板を使用した、ラウンドカフェテーブルを配置。直径100cmと大きなサイズをチョイスして、じっくりと生地を広げながらミーティングができるスペースにしました。
ラウンドカフェテーブルを並べると、居心地のいいカフェのような空間に。デザインの違うチェアでニュアンスを変えるなど、あえて異なるものを配置することでカフェっぽさが増します。
サンプル棚の側には、2台のスタンディングデスクと共に Stylish Modern ハイスツールを配置。ダークな床板に合わせてブラックブラウンをセレクトし、落ち着いた印象に仕上げました。
ブラックの脚が空間の印象を引き締めます。執務スペースの隣にショールームが設置されていますが、フロア全体の統一感を保っているのも、ブラックという共通の色を取り入れたから。
ショールーム全体は、ウッディな床にグリーンが映えるナチュラル感のある雰囲気。高さのあるハイスツールと、低めのチェアを組み合わせることでメリハリのあるスペースを実現しています。
来客用に設置した、KANADEMONO のアイアンフレーム ハンガーラックは、シンプルなデザインで空間にすっと溶け込む人気アイテム。大きめサイズですが、圧迫感なく馴染んでいます。
図書館をイメージしてつくられた、色とりどりのファイルがおさまったキャビネット。ハイセンスなインテリアと調和して、クリエイターの想像力が膨らみそうな空間になりました。
会議室に飾られているのは、やわらかな色合いと質感のあるデザインのアート作品「Purple Triangle」。モダンな抽象画のアートは主張しすぎず、さりげなく壁に飾るだけで雰囲気が和らぎます。
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